Takahiro Otani

研究内容

進化的計算手法を用いたシステム最適化に関する研究 (2005年~)

孤立個体に基づく変異操作を導入したDifferential Evolutionによる多峰性関数最適化

Differential Evolutionは実数値最適化アルゴリズムの一種であり,簡単に実装でき,かつ高い性能を示す手法として注目されています.本研究ではこの手法に孤立個体に基づく変異操作を導入することで,多峰性関数の最適化に対応しました.

ACOにおける探索バイアスを抑制する学習規則の開発

探索バイアスとは,特定の特徴を持った解が多く発生する現象であり,ACOの性能低下の原因となります.本研究では,この現象を抑制しながら探索を行うことが出来るパラメータ学習規則を開発しました.

Ant Colony Optimizationを用いた学校時間割の自動編成

大規模な学校では時間割の編成は極めて困難な作業であり,その自動化が望まれています.本研究ではこの問題を解くために,制約伝播に基づくアルゴリズムであるReally Full Look-ahead Greedyと,群知能アルゴリズムのAnt Colony Optimizationを組み合わせた手法を開発しております.

生産スケジューリング

生産スケジューリングにおいては,様々な要件を考慮しながら効率の良い計画を提案する必要があります. 本研究ではスケジューリング・ロジックとして広く用いられているシミュレーションによるスケジューリング手法をベースとして, 群知能アルゴリズムであるParticle Swarm Optimization,および自動プログラミング手法の遺伝的ネットワークプログラミングの適用を試みております.

Ant Colony Optimizationを用いた方形ピースジグソーパズル

方形ピースジグソーパズル問題はピースの形状が全て方形となっているジグソーパズルであり,表面に描かれている画像情報のみをもとにパズルを組み立てる問題です. これまでに遺伝的アルゴリズムを用いた手法が提案されていますが,本研究ではAnt Colony Optimizationを適用することで精度の向上に成功しました.

Ant Colony Optimizationを用いたDNA配列決定

2003年にヒトゲノムの塩基配列が解読されてからもDNA配列決定手法は日々改善され,更なる速度・精度の向上が試みられています. 本研究では配列決定手法の一種であるハイブリッド形成による配列決定 (Sequencing by Hybridization) に対して, 群知能アルゴリズムの一種であるAnt Colony Optimizationを適用することで, 従来手法に比べて大幅な精度向上に成功しました.

小型移動ロボットの協調行動に関する研究 (2007年~)

複数のロボットが協調して行動することにより,単一のロボットに比べてより高度な作業の実現が期待できます.そのため,複数のロボット系における経路計画問題を解くことは非常に重要であると考えられます. 本研究では経路計画手法の一種であるRapidly exploring Random Treesを用いて,2台の小型移動ロボットe-puckによる協調的な箱押し行動の計画に成功しました.